まずは検査が今の医療の常識
異常を覚えて医療機関を受診した際、まずは問診票に記入することがほとんどです。
医師は診察室に通し、問診票を見ながら話を聞きますが、それだけで治療を開始することはほとんどありません。
現代医療においては、まずは検査をしないと始まらないからです。
規模の大きな医療機関ではレントゲンではなく、さらによくわかるCT撮影が行われます。
デジタル化されているため、すぐに異常を訴える幹部の様子を見ることが出来るほか、全身を撮影することで他の部分への影響があるかどうかも分かるのがメリットです。
歯科医院でもまずは状況把握から
歯科医院においては個人開業医が多いことから、さすがにCT完備のところは少ないため、レントゲン撮影を行います。
部分的には勿論ですが、初診の場合は全体を写すパノラマ写真を撮り、全体を確認してから必要な箇所の治療に取り掛かります。
歯科医院でもデジタル化が定着しており、すぐに写真はチェアに設けられた液晶ディスプレイに映し出されますので、そこで初めて自分の歯の写真を見るという人も多いでしょう。
レントゲン写真を見る時はドキドキ
レントゲンでもCTでも、写真を見ながら医師からの説明を受けるのはドキドキするものです。
歯科医院では、パノラマ写真という上下の歯がすべて写った写真を見ることになりますが、稀に歯が植わっている土台である歯槽骨の中に、コロンと歯のようなものが写っていることがあります。
これを見つけた歯科医師は、あれ?と言うかもしれません。
医師のすべてに共通することですが、医師が発する疑問の言葉は患者にとっては冷や汗ものです。
パノラマ写真を撮ることによって、歯槽骨の中にコロンとした歯のようなものがあると分かるのですが、これは歯牙腫(しがしゅ)と呼ばれるものです。
歯と牙、そして腫瘍の腫と書いて、歯牙腫と読みますと言われたら、腫瘍?とびっくりすることでしょう。
まずは安心していいもの
歯科医院で歯牙腫があると言われたとしても、ほとんどの歯科医師がすぐに、これは悪いものではないと言ってくれるでしょう。
歯原性良性腫瘍(しげんせいりょうせいしゅよう) と呼ばれる良性の腫瘍の代表的なもので、実際には腫瘍というよりも組織奇形に属する病変です。
どこまで詳しい説明がされるかは歯科医院および歯科医師によりますが、特に治療を必要とするものではないというのが共通の見解です。
ただ、見つかった以上は年に一度、経過観察のためにパノラマ写真を撮り続けていく必要があり、大きくなるようなら取り除くこともあると言われる歯科医院で見つかる病変の一つです。