歯磨きの仕方は十人十色
例えば10人集まって、それぞれに普段の歯磨きの仕方をしてみてくださいと言ってみたら、10人中、正しい歯磨きの仕方をしている人は1人いればいい方でしょう。
それくらい、正しい歯磨きの仕方を知っている人は少なく、これが虫歯や歯周病、ひいては歯槽膿漏の原因になっているのです。
正しい歯磨きの仕方を知らないという人がほとんどですが、中には歯科医院で教えてもらって知っているけれど、やっていない人が多いのも特徴と言えます。
それというのも、正しい歯磨きの仕方を実践するには、ある程度時間をかけて磨く必要があるからです。
知らないで過ごしてきた日々に毎日行ってきた習慣は、なかなか変えることが出来ません。
これまでこの磨き方でやってきたから、今さら変えられないというのも納得できることではあります。
歯ブラシを握って強くシャカシャカとこすらないと歯を磨いた気がしないという人もいれば、歯ブラシを円を描くように回して前歯を上下一度に磨くという磨き方をする人もいます。
さらには、磨いたという実感を得たいために、歯磨き粉をたっぷりつけて磨く人もいますが、これらはすべて正しい歯磨きの仕方とはかけ離れており、デメリットでいっぱいなのです。
どんなところがデメリットなのか
歯の表面はエナメル質と呼ばれる硬い構造になっていますが、力を入れて歯ブラシを動かすとエナメル質を削り取ってしまいます。
円を描くように磨く場合は、いつも同じ部分に歯ブラシが当たるため、一定の場所のエナメル質を薄くしてしまうのです。
さらに、歯磨き粉には研磨剤が含まれており、これが歯の表面をツルツルにする効果をもたらすのですが、いわゆる掃除の際のクレンザーの様なものですので、これをたっぷりつけて強い力で磨けば、エナメル質はいとも簡単に削り取られてしまいます。
エナメル質が薄くなると、その下の柔らかい象牙が表面にでてくるため、冷たいものや熱いものがしみて痛いという状況になってしまうのです。
その結果、治療のために歯科医院に行くことになるでしょう。
歯科医院で教わろう
歯科医院に行けば、正しい歯磨きの仕方を教えてくれます。
細かく歯ブラシを動かしながら、1本1本を磨いていく方法で、歯ブラシを鉛筆を持つように握るのがポイントです。
また、歯科医院では研磨剤を含まない歯磨き粉を売っていますので、こうした歯磨き粉を使って、正しいブラッシング方法を教わることで、自分の歯を守ることが出来ます。
治療のために歯科医院に行く前に、歯磨きの仕方を教わるために行っておけば、それだけ歯の治療の発生確率を低くすることが可能です。